明治9年(1876年)に創建された開成山大神宮は、「東北のお伊勢さま」の愛称で多くの人々に知られています。伊勢神宮の分霊を奉納し、安積地域の開拓精神を象徴する重要な聖地として発展してきました。2016年(平成28年)に「日本遺産」に認定された構成文化財の一つであり、令和7年(2025年)に創建150周年を迎えます。福島県では最多の年賀参拝者を数える神社です。今回は、開成山大神宮の歴史や見どころ、楽しみ方などを詳しく紹介します。

開成山大神宮の歴史

開成山大神宮は、安積地域の発展と深いつながりを持つ神社です。明治6年(1873年)に遥拝所として計画され、明治9年に伊勢神宮の分霊を奉納して正式に創建されました。

神社の歴史は、地域の重要な事業と密接に結びついています。明治12年には安積疏水の起業式が執り行われ、明治15年に通水式が実施されました。これらの出来事は、開成山大神宮が地域の発展と歩みを共にしてきたことを物語っています。

現在の本殿は、昭和50年に造営されました。長年にわたり、地域の人々に守られ、地域の発展を見守り続けている神社として、大切な存在となっています。

開成山大神宮の神体

本殿には、三柱の尊い神々が安置されています。天照大御神は、日本神話における最も重要な神として崇敬されています。豊受大神は、農業と豊穣の神として知られ、日本の伝統文化において重要な役割を果たしています。

神武天皇を祀る神倭伊波禮彦命は、日本の象徴的な創始者として、国家の精神的な基盤を築いた神として尊ばれています。

桑野宮には、これらの神々の荒魂が祀られ、開成山稲荷神社には倉稲魂神が安置されています。神々の存在は、この地の精神的な深さと文化的な豊かさを物語っています。

開成山大神宮の特徴

伊勢神宮の分霊を奉納している開成山大神宮は、東北地方において最も由緒ある神社の一つです。「東北のお伊勢さま」と呼ばれるその特徴は、地域の精神的なよりどころとして大きな意味を持っています。

安積開拓の歴史と深く結びついた神社として、地域の発展と共に歩んできました。広大な境内は、四季の移ろいを感じられる美しい自然に満ちており、歴史的な建造物が周囲の景観と見事に調和しています。

訪れる人々は、静寂と歴史が織りなす空間で、心の安らぎを体験できます。自然と伝統が融合するこの場所は、地域の文化と精神性を象徴する貴重な聖地なのです。

歴史と伝統が息づく境内空間

開成山大神宮は、明治9年に創建された歴史ある神社です。現在の本殿は昭和50年に伊勢神宮の御用材の撤下を受け造営され、荘厳な雰囲気が漂う神聖な空間となっています。伝統的な建築様式は、訪れる人に深い感動を与えます。

境内には、歴史と文化を感じさせる数多くの見どころがあります。

  1. 本殿
  • 昭和50年造営。伊勢神宮の御用材を使用。荘厳な雰囲気、伝統的な建築美
  1. 桑野宮
  • 明治8年造営の旧本殿。本社三神の荒魂を祀る静謐な空間
  1. 開成山稲荷神社
  • 倉稲魂神を祀る。農業・商業・工業の守り神
  1. 宝物殿
  • 神宝を収蔵。郡山市指定重要文化財の太刀「勝光」と槍「国綱」を展示
  • 地域の歴史と伝統を物語る貴重な文化財
  1. 神楽殿
  • 昭和50年造営。開成山太鼓の演奏などが行われる
  1. その他
  • 拝殿:平成3年造営。青森檜葉を使用
  • 祖霊社:昭和62年造営。神徒会の霊神を祀る
  • 神門、手水舎、授与所、参集殿など
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開成山大神宮は、歴史的な建造物や文化財だけでなく、美しい自然も魅力です。四季折々の風景を楽しみながら、心静かに参拝できるでしょう。

祭礼と参拝情報

4月22日と10月17日に開催される例祭や、節分祭、さくらまつり、境内マルシェ、音楽祭など、年間を通して様々な祭事・イベントが行われています。

アクセス情報

在地:〒963-8851島県郡山市開成3丁目1番38号

TEL:024₋932₋1521

FAX:024-939-4410

(受付時間:午前9時から午後4時30分まで)

駐車場:あり

【電車&バス】JR東北本線「郡山駅」からバスで16分。(「開成山」下車後、徒歩0分)

【電車&バス】JR東北本線「郡山駅」からバスで15分。(「郡山女子大学

」下車後、徒歩3分)

【車】東北自動車道「郡山IC」からアクセス

開成山大神宮は、東北地方の精神的な聖地として、豊かな歴史と文化を今に伝える神社です。明治9年の創建以来、安積地域の発展と深く結びつき、伊勢神宮の分霊を奉納する由緒ある神社として、地域の人々に大切にされてきました。四季折々の美しい境内と、天照大御神をはじめとする尊い神々を祀る本殿は、訪れる人々に静寂と感動を与える、東北を代表する貴重な文化遺産です。ぜひ一度訪れてみてください。