仙台藩祖である伊達政宗の時代から受け継がれてきた仙台七夕まつりは東北三大祭りの一つで、個性豊かな吹き流しの中をそぞろ歩くのを楽しみにしている人も多いことでしょう。今回はこれまでの仙台七夕まつりの様子を振り返りつつ、2024年の仙台七夕まつりについてご紹介いたします。

伝統と創造が織りなす「くす玉と吹き流し」

仙台七夕と言えばくす玉に絢爛華麗な吹き流しが有名です。球体で華やかなくす玉は、仙台東一番町で森天祐堂の店主だった森権五郎さんが庭のダリアの花を見て発案し広まりました。中身は軽くて強靭な孟宗竹を竹ひごにしたもので、このくす玉に京都や高知から取り寄せた和紙でそれぞれの店舗が創意工夫を凝らした吹き流しを取り付けます。風に揺れる吹き流しを潜るときには、是非愛らしいくす玉も一緒に見上げてみてくださいね。

仙台の笹飾りに欠かせない「七つ飾り」

仙台の笹飾りには「七つ飾り」が欠かせません。笹に願い事を書いてつるす「短冊」は、もともと朝露で墨を磨って和歌を書きつけ、学業や書道の技術向上を願うためのものでした。仙台ではそれに加えて厄除けや裁縫の上達祈願の「紙衣」、家族の年長者の歳の数だけ繋げて長寿を願う「折鶴」、商売繁盛や金運アップの「巾着」、開運招福と豊作豊漁祈願の「投網」、清潔と質素倹約の心を養う「屑篭」、織姫の織り糸にあやかって技芸上達を祈願する「吹き流し」を一緒に飾ります。七夕飾りのどこに「七つ飾り」が隠れているか、お子様と一緒に探してみてはいかがでしょうか。

屋台で仙台グルメを味わえる!

お祭りに欠かせないのが屋台。世界三大漁場の三陸・金華山沖から水揚げされる海産物や牛タン、笹かまぼこなど仙台グルメを気軽に味わうことができます。また2024年のお祭り期間中は、サンモール一番町で七夕飾りの和紙を使ったお面や提灯の製作体験ができる「せんだいくらふと」も開催されています。最高級の和紙の色合いを楽しみつつ、素敵な夏の思い出をこの機会にぜひお持ち帰りください。

七夕飾りに願いを込めて

毎年200万人以上が訪れるお祭りは、戦争や不景気で何度も途絶えそうになりながらも商店街や住民たちの熱い心意気に支えられて復活してきました。2011年の大震災の後も、復興の願いを込めた七夕飾りがたくさんの人の心を慰めたのも記憶に新しい出来事です。

2024年の仙台七夕は8月6日から8日にかけて行われました。これまでの歴史を振り返りつつ、仙台七夕の絢爛豪華な飾りつけは圧巻でしたね。来年の七夕祭りも楽しみです。小学生の夏休みも残り約一週間。素敵な夏をお過ごしください。