柔軟に住み替えるスタイル
が広がっている?
かつては「一生モノ」とする考え方が一般的だった住宅も近年ではちょっと変わってきているようです。
リクルートのSUUMOリサーチセンターが公表した「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」を参考にしながら、近年の住宅に関する考え方をさぐってみましょう。
この記事では、柔軟な住み替えを考慮するメリットや住み替えを前提にした住宅探しのコツについても解説します。
柔軟に住み替える考え方が広がっている
「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」によると、住宅購入者の間で「柔軟に住み替える」考え方が広がっているようです。
調査実施:2023年12月
調査対象:首都圏、東海圏、関西圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人
特に、将来的な売却や賃貸を視野に入れている人が増えていることが特徴です。
例えば、住宅購入検討者の約4割が将来的に売却や賃貸を検討しており、永住意向がある人は約44%にとどまっています。
これは、住宅価格の上昇や住宅ローン金利の変動など、経済的な要因が影響していると考えられます。
このような変化により、住宅の流通市場がより活発になり、売り買いのしやすい環境が求められています。
住宅の取得経験
今回の調査によると「買い替え」の割合が2019年では15%だったものが2023年では29%と約2倍に増えていることが特長的です。
「初めての購入、建築」は依然として高率ではあるものの、2019年と比較して69%から63%とやや下落傾向にあります。
永住志向
「永住する」とした方は44%前後と2021年から変化はありませんが、「将来的に売却を検討している」「将来的に賃借を検討している」方の割合が徐々に増加していることが特長的です。
2023年では合計して38%の方が購入や建築を検討している段階から売却などを検討していることがわかります。
売却・賃貸するタイミング
「定年退職」を理由にしている方が減少していること、結婚や出産などのライフスタイルの変化による理由が増加していること、特に「土地や不動産の価格が上がったら」、「家が老朽化した」「修繕費が必要になってきた」、「他に欲しい物件が出たら」といったタイミングを想定している方が増えています。
柔軟な住み替えを考慮するメリット
柔軟な住み替えには次のようなメリットがあります。
- ライフスタイルの変化に対応
家族構成の変化や仕事の都合など、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変えることができます。
例えば、子どもが独立した後に小さな家に住み替えるなど。
- 経済的な柔軟性
住宅ローンの返済や家の維持費が負担になる場合、より経済的な住まいに移ることで負担を軽減できます。
また、住宅価格が上昇している時期に売却し、価格が下がった時期に購入することで資産価値を最大化することも可能です。
- 環境の改善
住み替えによって、より良い環境や利便性の高い場所に移ることができます。
例えば、通勤時間を短縮したり、自然環境の豊かな場所に移住したりすることができます。
- 最新設備の利用
古い家から新しい家に住み替えることで、最新の設備や技術を利用することができます。
これにより、生活の質が向上し、エネルギー効率も高まります。
- リスク分散
不動産市場の変動に対するリスクを分散することができます。
例えば、複数の物件を所有することで、特定の地域の価格変動に対するリスクを軽減できます。
このようなメリットを考慮すると、柔軟な住み替えは多くの人にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
住み替えを考えるときの注意点
住み替えには上記のようにメリットもありますが、いくつかの注意点があるので気をつけましょう。
- 費用の把握
住み替えには、売却費用、購入費用、引越し費用など多くの費用がかかります。
特に、売却と購入のタイミングがずれると、二重の住宅ローンが発生する可能性があります。
- 売却価格の過信
不動産の売却価格は市場の状況によって変動します。
査定額が必ずしも実際の売却価格になるとは限らないため、余裕を持った資金計画が必要です。
- タイミングの調整
新しい住まいの購入と現在の住まいの売却を同時に進めるのは難しいことがあります。
仮住まいが必要になる場合もあるため、スケジュールに余裕を持つことが重要です。
- ローンの管理
住み替えローンやつなぎ融資を利用する場合、返済計画をしっかり立てることが必要です。
特に、旧宅のローンが残っている場合は注意が必要です。
- 信頼できる不動産会社の選定
住み替えを成功させるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
複数の会社から査定を受け、比較検討することをおすすめします。
これらの注意点を考慮することで、住み替えをスムーズに進めることができます。
将来の住み替えを前提にした住宅探しのコツ
将来の住み替えを前提にした住宅探しには、いくつかの重要なポイントがあります。
以下のコツを参考にしてみてください。
- 立地条件を重視する
将来の住み替えを考えると、物件の立地は非常に重要です。
人気のあるエリアや駅近の物件は、将来的に売却しやすくなります。
- 物件の状態を確認する
新築や築年数が浅い物件は、将来的に価値が下がりにくい傾向があります。
また、再開発エリアに位置する物件も将来の価値が期待できます。
- 資金計画をしっかり立てる
住み替えには費用がかかるため、現在の住宅ローンの残債や新しい住宅の購入費用を考慮した資金計画を立てることが重要です。
- フレキシブルな間取りを選ぶ
家族構成やライフスタイルの変化に対応できるよう、フレキシブルな間取りの物件を選ぶと良いでしょう。
例えば、将来的に部屋を増やしたり減らしたりできるような設計が理想的です。
- 将来のメンテナンス費用を考慮する
物件の維持管理費用も考慮に入れておくことが大切です。
特に築年数が経過した物件は、将来的に修繕費用がかかる可能性があるため、予算に余裕を持たせておくと安心です。
- 専門家に相談する
不動産アドバイザーに相談することで、より適切な物件選びができます。専門家のアドバイスを受けることで、将来の住み替えもスムーズに進められます。
イエステーションでは、このような住み替えのご相談も承っております。地域専門スタッフが分かりやすくご説明させていただきます。ぜひ、一度ご相談ください。