古くからさまざまな伝承・伝説が残っている「愛宕山」 今回は、笠間市の愛宕(あたご)山をご紹介します。標高305メートルの低山ですが、ここは古くからさまざまな伝承・伝説が残っている山として知られています。まずご紹介したいのは、日本三大火防神社のひとつとされる愛宕神社です。神社は山頂付近にあり、本社まで続く長く急勾配の石段は「出世の階段」とも呼ばれています。 天狗伝説が息づく愛宕山 愛宕山の伝承として有名なのは、天狗伝説です。山頂の飯綱神社の裏には「十三天狗の祠(ほこら)」と言われる十三個の石の祠が残っています。出世の階段とともに、県内有数のパワースポットと言われるゆえんです。修験道が行われていたことから、かつて愛宕山は「女人禁制」でした。それを示す石碑は今も残っています。 広大な関東平野の眺望を眺めるカフェ 次にロケーションですが、愛宕山の周囲は広大な関東平野のため、遠くまで見渡すことができます。昼は太平洋近くまで遠望できますし、市街地の光が一面に見える夜景もきれいです。そうした好条件を生かしたのが、山頂にある「ETOWA KASAMA」です。かつての名前は「あたご天狗の森スカイロッジ」。ここは1980年代まで何の施設もありませんでしたが、1994年に公民連携事業としてスタート。今は山頂のレジャー施設として知名度も上がりました。そして2020年、リニューアルしました。昼は山頂付近の爽やかな山林をハイキング、夜は満点の星空を眺めつつバーベキューができます。手ぶらで行って楽しめますので、詳しくは公式ホームページ(https://www.cigr.co.jp/etowa/kasama/)をご参照ください。さらに2024年4月には、山頂駐車場の脇に「パノラマカフェ」がオープン。地元の笠間焼や稲田石をカウンター壁面や天板に使用した落ち着いた空間となっています。目の前に見下ろす関東平野の景色は圧巻そのもの、そこで美味しいコーヒーやドイツ製パンをいただけます。 筑波山系に連なる本格的なハイキングコース 愛宕山の魅力は続きます。周辺には筑波山系に連なる本格的なハイキングコースもあり、本格的なハイカーが楽しめるコースが広がっています。春、愛宕山は桜の名所としても知られ、「あたご山桜」まつりが開催されます。このように愛宕山は、火防神社、天狗伝説、パワースポット、グランピング、カフェ、ハイキング、そして桜。愛宕山ではこれらの全てを楽しむことができます。愛宕山へは、常磐自動車道の岩間インターチェンジを下りて一般道で約30分です。山頂に至るまでは急峻な山道が続きますので、お車の運転にはご注意ください。ぜひ、この夏、ご家族と、ご友人と、自然の中で楽しい時間を過ごしてみては、いかがでしょうか。