三角地は売りにくい?
三角地とは、三角形の土地のことを言い、旗竿地などと同じ「不整形地」とされます。
三角地は、区画整理されていない地域でみられ、また相続したときに相続人間で分割するために土地を分筆した残りや、道路などに収用された結果残った土地が三角形になることで生まれます。
この記事では、三角地が売却しにくいと言われる理由や三角地の有利な売却方法について解説します。
三角地のデメリット
建物は四角形のものが多いため、土地が三角形ではうまくはまらず利用できない部分がうまれます。
そのため、三角地のデメリットは以下のようになります。
- 建物の設計に制限ができやすい
- デッドスペースがうまれる
- 風水で問題にされる
- 資産価値が低い
建物の設計に制限ができやすい
三角形の土地に四角形の家を建てようとすると、どうしても建築面積が少なくなってしまいます。
また、三角形の土地になるべく広い家を建てるためには、建物の外観から間取り、設備の配置などすべてを新しく設計しなければなりません。
ハウスメーカーなどが手がける規格量産型の建築プラン(自由設計やフリープランなど)などでは難しいからです。
そのため、規格量産型の住宅と比べ費用が高額になりやすく、その点でも敬遠されやすくなります。
また、土地に合わせて三角形の家にすると収まる家具をさがしたり、家具の配置を工夫したりすることが必要になり難しくなってしまいます。
デッドスペースがうまれる
家も車も四角形が多いので、三角形だと土地が余ってしまいます。
余った土地は花壇などで利用するしかないため、土地を有効活用したい方にとっては無駄なスペースになってしまいます。
風水で問題にされる
風水では三角地は凶相とされているので、風水を気にする方にとっては大きな問題点になります。
風水からすると火災や争いごとがおきやすいと言われているので、風水的な対策についても考慮しておくのがよいでしょう。
資産価値が低い
以上のように、利用しにくい三角地はニーズが少ないため高額での取引は期待できません。
三角地のメリット
先にデメリットを確認しましたが、三角地には次のようなメリットもあります。
- 価格が安いので購入しやすい
- 固定資産税・相続税が安い
- 立地がよい好条件の物件が残っていることがある
- ゆっくり検討できる
- 個性的な家を建てられる
価格が安いので購入しやすい
三角地は一般的には利用しにくいため、ニーズが少なく整形地と比べて安くなりやすいといえます。
そのため、同じ面積でも三角地の方が購入しやすくなります。
固定資産税・相続税が安い
三角地では、市場価格が安いことから固定資産税評価額が安くなります。
具体的には、三角地の場合「不整形地補正率」をかけて評価額を計算します。
そのため、整形地と比べて固定資産税や相続税の計算のもとになる評価額が安くなります。
立地がよい好条件の物件が残っていることがある
三角地だからという理由で駅や学校、商店街など立地条件がよい場所の物件が残っていることがあります。
価格が手頃で立地条件がよければ購入を検討するのもよいでしょう。
ゆっくり検討できる
人気のある土地なら競争になるので早く申し込まなければ買い負けてしまうこともあるでしょう。
しかし、三角地の場合は比較的ゆっくりと検討できる時間がとりやすいので建物の建築プランなどとあわせて自分にあった計画を立てやすいといえます。
個性的な家を建てられる
三角地であれば、建売住宅や規格量産型の建築プランの注文住宅がはまりにくい反面、個性的な家を建てられるメリットがあります。
設計士と相談しながら思い通りの家を建てることも可能です。
三角地の有利な売却方法
一般的には売却しにくいと言われる三角地ですが、次のような方法で有利に売却することができます。
また、売却を依頼する不動産会社には三角地のメリットが購入希望者に十分に伝わるような方法で広告・宣伝活動をしてもらうようにお願いしましょう。
- 隣地の所有者に相談する
- 不動産会社に直接買取を依頼する
隣地の所有者に相談する
三角地を売却するときには、まず隣接地の所有者に相談してみましょう。
隣地の所有者なら三角地でも自分の土地になれば、駐車場や家を増築したり新しく家を建てたりすることができるので、購入する可能性があります。
また、隣地の所有者も売却を考えているタイミングなら隣地を購入して売却することも可能です。
隣地を購入することで整形地になれば、そのまま売却するよりも有利に売却できるでしょう。
不動産会社に直接買取を依頼する
不動産会社なら売却のノウハウをもっているので、三角地でも購入してくれる可能性があります。
直接買取なら一般に購入希望者をさがすよりも早く売却できるので有利です。
直接買取の場合は、一般に売却するよりも安くなりがちなので、必ず複数の不動産会社から査定をしてもらい信頼できる会社を選ぶことがたいせつです。