住み替える時の売却と購入は
同じ会社に依頼するべき?
住み替えるときには、現在住んでいる家の売却と新しい家の購入をしなければなりません。そんなときは、売却と購入を同じ不動産会社に依頼するのと別々の会社に依頼するのとどちらがよいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。住み替えるときの売却と購入は同じ会社に依頼するべきかどうかは、ケースによって異なります。
一般的には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
同じ会社に依頼するメリット
同じ不動産会社に依頼するメリットは、次のような点にあります。
- 相談窓口を一本化できる
- 売却と購入のタイミングを合わせやすい
- 売り出し前の物件を紹介してもらえる可能性が高まる
- 買取保証や住み替えローンなどのサービスを利用しやすい
- 仲介手数料が安くなる可能性がある
住み替えの方法とタイミング
マイホームの住み替えには、以下の方法があります。
- 売り先行
- 買い先行
- 売り買い同時進行
売り先行はマイホームの売却を先に進める方法で、買い先行は購入を先に進める方法です。
売り先行だと売却後に新居に入居できるまで賃借するなどして仮住まいをしなければなりません。
自宅を売却した資金を新居の購入資金にあてることができるメリットがあるものの仮住まいと新居に引っ越すことで2回の引越しが必要になり、仮住まいの期間の家賃の支払が必要です。
一方買い先行だと仮住まいをしなくても良くなりますが、売却した資金を購入資金にあてることができなくなります。
また、売却がうまく進まなければ以前の家のローンと新しい家の住宅ローンの支払が重なるので負担になることもあるでしょう。
このように売却と購入の時期がずれることで経済的にも手間においても負担が発生することから住み替えは売り買い同時進行がベストな方法です。
売り買い同時進行をするには、売却と購入を同じ不動産会社に依頼するとよいでしょう。
相談窓口を一本化できる
売却と購入を同じ不動産会社に依頼すればどちらの手続きに関する相談でも一度ですみますが、別々の不動産会社に依頼するとそれぞれの担当者に連絡をしなければなりません。
不動産会社同士で連絡を取り合って両方の手続きをすすめることはほとんどないので、自分自身で両方の進捗管理をすることになります。
一つの不動産会社に依頼しておけば売却も購入も担当者がすべての進捗状況の管理をしてくれるので、はじめての住み替えでも安心して手続きを進めることができるでしょう。
売却と購入のタイミングを合わせやすい
先のように、住み替えの場合は自宅の明け渡しと新居への入居は同時に行うのが理想です。
売却と購入を同じ不動産会社に依頼すれば両方のタイミングを調整しやすいメリットがあります。
自宅の明け渡しの日程が決まったらそれよりも前に新居の引き渡しを受けられるような日程交渉もしやすくなると言えるでしょう。
売却と購入が同じ不動産会社なら両方のスケジュールがわかっているのでスムーズに住み替えができる可能性が高まります。
売り出し前の物件を紹介してもらえる可能性が高まる
売却と購入を同じ不動産会社に依頼すれば優先的に物件を紹介してもらえる可能性が高まります。
不動産会社がもっている購入希望者の顧客情報や新規の物件情報の中から優先的に紹介してもらえる可能性が高く、売却も購入もスムーズにすすむ可能性があります。
買取保証や住み替えローンなどのサービスを利用しやすい
売却と購入を同じ不動産会社に依頼すれば事情がわかっているので住み替えローンの申し込みもスムーズにすすめてくれるでしょう。
また、不動産会社による買取保証をしてくれることもあります。
不動産会社による買取保証とは
不動産会社に売却を依頼した後、一定期間(一般的に3か月間)を経ても買主が決まらない場合に、あらかじめ決めた金額で不動産会社に買い取ってもらう仕組みのことです。
買取保証は、仲介と買取のメリットを組み合わせた方法で、以下のような特徴があります。
- 売却期限と買取価格があらかじめ分かる
- 仲介時は相場と同等の価格で売りだせる
- 瑕疵担保責任が免除される
- 仲介手数料が不要
- 内覧の準備が不要
仲介手数料が安くなる可能性がある
住み替えの場合には、売却と購入の両方の仲介を不動産会社に依頼するため売却と購入の両方に仲介手数料を支払うことになります。
両方の手数料が見込まれることから、同じ不動産会社に依頼すれば仲介手数料の値引きをしてもらえることがあるので、交渉すると応じてくれる可能性があります。
同じ会社に依頼するデメリット
住み替えの場合は、売却も購入も同じ不動産会社に依頼するメリットが大きいのですが、同じ不動産会社に依頼するとデメリットとなる場合もあるので注意しましょう。
- 不動産会社によって得意なエリアがある
不動産会社によって得意なエリアがある
売却と購入が同じ地域であれば同じ不動産会社に依頼しても問題はありませんが、売却物件と購入物件が離れた場所だと同じ不動産会社に依頼するとスムーズにいかないことがあります。
住み替えをスムーズに進めるためには現在の自宅を確実に売却することが大切です。
そのためには売却するエリアにあってエリア内の不動産に詳しい地元の不動産会社に売却を依頼した方がよいでしょう。
同じ会社に依頼しなくても良いケース
以上のことから、次のような場合には同じ不動産会社に依頼しなくても問題は少ないと言えるでしょう。
- 新居の購入を先に進めるとき
- 仮住まい先でゆっくり新居を探すとき
どの不動産会社に依頼するかが大事
住み替えを検討するときには、新しい家をさがすことから始めたくなるのが一般的です。
気に入った物件があったら掲載元の不動産会社に購入希望を連絡し、あわせて現在の家の売却を依頼する流れを考えてしまいがちですが、「住み替えで重要なのは売却」という意識をもつことが大切です。
現在の家がいくらで売却できるのかいつ頃売却できるのかによって、購入できる家の予算や引越し時期が決まってくるからです。
不動産情報サイトに掲載されている不動産は掲載元の不動産会社以外からでも購入可能です。
売却にあたっていろいろな不動産会社に査定を依頼したうえで、査定額や売却力がある信頼できる不動産会社を選択することが住み替えを成功させる秘訣と言えるでしょう。