終活で考えるべき
不動産のこと
終活とは、人生の終わりに向けて自分の財産や葬儀、お墓などを整理していく活動のことです。終活において、不動産は重要な資産の一つであり、相続や処分に関するトラブルをさけるために事前に考えておく必要があります。
この記事では、終活をする目的や理由、不動産の終活方法や終活に必要な準備について、解説します。
終活をする目的や理由
終活を思い立つ目的や理由には、人それぞれいろいろな事情がありますが、主な目的や理由は次のようなことが考えられます。
- 自分の思いを伝えるため
- 家族の負担を減らすため
- 充実した老後生活を送るため
- 死の不安を軽減するため
自分の想いを伝えるため
終活をすることで、自分の人生を振り返り、家族や友人に感謝や愛情を伝えることができます。
また、自分の死後に関する希望や意思を明確にしておくことで、遺された家族に安心感を与えることができます。
家族の負担を減らすため
終活をすることで、財産や身の回りの整理、葬儀やお墓の準備などを事前に行っておくことができます。
これにより、家族が死後に慌てることやトラブルに巻き込まれることを防ぐことができます。
充実した老後生活を送るため
終活をすることで、残りの人生をどう過ごしたいか、どんなライフプランを立てたいかを考えることができます。
趣味や旅行など好きなことややりたいことを実現するために必要な資金計画や住まい計画なども検討することができます。
死の不安を軽減するため
終活をすることで、死に対して向き合い、自分の死後について考えることができます。
これにより、死への恐怖や不安を和らげることができます。
終活の準備には
終活に向けて準備することはいろいろとありますが、まずは以下のようなことから始めてみましょう。
- 財産の洗い出しと整理
- 身の回りのモノの整理
- エンディングノートや終活アプリの利用
- 終末期医療に関する希望の表明
- お葬式やお墓の準備
- 充実した老後生活の計画
財産の洗い出しと整理
自分が持っている資産や負債をリストアップし、相続や税金の手続きをスムーズにするために整理しておきます。
また、遺言書を作成することもおすすめです。
身の回りのモノの整理
自分が使っているものや大切にしているものを選び、不要なものは処分したり譲渡したりします。
遺品整理の負担を減らすだけでなく、自分の想いを伝えることもできます。
エンディングノートや終活アプリの利用
自分の人生や家族へのメッセージ、死後に関する希望や意思などを書き残すノートやアプリです。
家族とのコミュニケーションや情報共有に役立ちます。
終末期医療に関する希望の表明
自分が望む医療や看取り方、臓器提供などについて事前に決めておくことです。
かかりつけ医や家族に相談し、事前介入指示書(AD)や生前葬などを活用することもできます。
お葬式やお墓の準備
自分が亡くなったときに行うお葬式やお墓について、形式や費用、場所などを決めておくことです。
家族葬や永代供養、自然葬など様々な選択肢があります。
充実した老後生活の計画
残りの人生をどう過ごしたいか、どんなライフプランを立てたいかを考えることです。
趣味や旅行、ボランティアなど好きなことややりたいことを実現するために必要な資金計画や住まい計画なども検討します。
不動産の終活にはどのような方法がある?
不動産を所有しているなら、単純に相続させるのもよいですが、その他に以下のような方法もあります。
相続させるときには、相続人間の争いを防ぐために遺言書を活用することもできます。
- 売却する
- 賃貸活用する
- 生前贈与する
- 新規購入する
売却する
不動産を現金化して老後の資金にする方法です。
売却後の住まいや相続人への配分などを考慮する必要があります。
賃貸活用する
不動産を賃貸物件として貸し出して収益を得る方法です。
賃貸需要やランニングコストなどを考慮する必要があります。
土地を所有しているなら駐車場やトランクルームなどに活用して収益を得ることも可能です。
初期投資や利益の見込みなどを考慮して行いましょう。
生前贈与する
不動産を相続人に贈与しておく方法です。
相続税対策や相続人の意向などを考慮する必要があります。
新規購入する
不動産を買い替えたり、新規に購入する方法です。
不動産の相続税評価額は時価の7割~8割程度と言われているので現金で相続させるよりも節税になることがあります。
不動産の終活を行う際には、以下のような手続きも必要
不動産の終活を行おうとするときには、以下のような手続きをしておくとよいでしょう。
- 不動産の評価額を調べる
- 名義の変更
- 境界の確定・測量
不動産の評価額を調べる
相続税の計算や遺産分割のために、不動産の市場価値や相続税評価額を調べておくとよいでしょう。
路線価や取引価格、不動産会社の査定などで調べられます。
名義の変更
相続した不動産の場合、亡くなった方の名義のままで所有権移転登記をしていないことがあります。
令和6年4月から相続登記が義務化されることもあり、遺産分割を今の世代で行っておいた方がスムーズにいくことがあります。
できるだけ、相続人に負担がないように準備しておきましょう。
境界の特定・測量
代々相続を重ねて引継がれてきた土地は、隣地との境界があいまいだったり、面積が登記簿とちがっていたりすることがあります。
境界を確定し、測量までしておけば相続人が安心して承継できます。