不整形地は売りにくい?
所有している土地の売却を不動産会社に相談したら正方形や長方形の土地でないので売りにくいといわれました。
この記事では、正方形や長方形の土地でないとどうして売りにくいのか、またそのような土地の売却方法について解説します。
不整形地とは
正四角形(正方形)や長方形の土地を「整形地」とよび、それ以外の土地を「不整形地」と
よんでいます。
代表的な不整形地として次のようなものがあります。
● 旗竿地
● 三角地・台形など
● 境界が直線でない(ギザギザの土地)
これらは平面的な不整形地ですが、立体的にみると以下のような土地も不整形地となります。
● 傾斜地
● がけ地
旗竿地の例
下記の塗りつぶした部分の土地が旗竿地です。
道路に接している部分が細く奥にのびて奥まったところに敷地が広がっています。
このような形状だと以下のような問題が考えられます。
● 道路に至る細い部分は歩道や駐車スペースなど利用が限られる
● 接道部分が2メートルなければ建築許可がおりないので再建築できないおそれがある
● 日当たりや風通しなどが悪くなるおそれがある
● 四方を住宅に囲まれてプライバシーが気になる
● 竿の部分(通路部分)が狭いと建築資材や機械の搬入が難しく、解体時にも搬出が難しくなる
このようなことから旗竿地は敬遠されるため売れにくいといわれています。
このような問題点を逆にみると次のような利点があるともいえます。
● 道路から敷地が離れているので騒音が気にならない
● いろんな人が通る道路から離れているのでプライバシーが保てる
● 竿部分(通路部分)で子供が安心して遊べる
● 日当たりがよくないことで保管に向いている
不整形地が売りにくい理由
不整形地が売却しにくいといわれる理由は次のようなことからです。
● 土地を有効活用できない部分がある
● 住宅ローンが売買代金全額でないことがある
土地を有効活用できない部分がある。
不整形地の場合、直角に角をとると余る部分がでるため有効活用ができない部分がでてきます。
住宅は四角形を基本に建てるのが一般的なので整形地だと土地を余すところなく活用できる点を想像すると理解しやすいでしょう。
傾斜地やがけ地では平たい部分が少なく家を建てるために土を盛ったり削ったりしなければならないため費用がかかってしまいます。
また、土砂崩れや地すべりなどの災害リスクがあるため購入希望者が限られることになります。
住宅ローンが売買代金金額でないことがある
立体的ながけ地だとのり面は評価されず平面部分だけが融資対象になるため200㎡の土地でも有効面積が50㎡であれば
50㎡のみが融資(評価)対象となります。
このため希望する金額が融資してもらえず購入を断念することになるために売りにくいといえます。
不整形地の売却方法
不整形地を有利に売却するために次の方法を検討しましょう。
● 隣地に売却を相談する
● 不動産会社に直接買取を相談する
隣地に売買を相談する
不整形地を売却するときはまず隣地の所有者に相談してみましょう。
隣地にもメリットがあるので購入を検討してくれる可能性があります。
● 隣地の方に購入を持ちかける。
● 隣地の方から購入して売却する。
● 隣地の方と相談して整形地になるように分筆する。
隣地の方が購入すれば活用範囲が広がり不整形地をとりこむことで隣地も形がよい土地になることがあります。
また、隣地の土地を購入すれば面積が広がり整形地になるようであれば購入してから売却した方が有利な場合もあるでしょう。
全部の土地を売却したり購入したりするのが難しいときには、整形地にするのに必要な部分だけを分筆して隣地に売却したり購入したりすることで
整形地にできないか検討してみましょう。
不動産会社に直接買い取りを相談する
不動産会社によっては売買の仲介をするだけでなく不動産を買い取ってくれる会社もあります。
たとえ不整形地であっても地域全体を買収して宅地開発を計画していることもあるので不動産会社に直接買取ができないか相談してみましょう。
複数の会社から査定を得る
一般に売り出すときも不動産会社に直接買取を依頼するときでも複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
ほとんどの不動産会社では無料で査定をしてくれます。
一括査定のサービスを利用すれば一度に複数の不動産会社の査定を得られるので便利です。
複数の会社に査定をしてもらい、納得がいく価格を提示してくれる信頼がおける営業担当者に売却を依頼しましょう。