広すぎる土地は売りにくい?!
売りにくい理由と対策

 広い土地だから高く売れるだろうと期待していたのに、なかなか買い手が見つからない、思うような価格にならない、といった思いをいだいている方もいらっしゃると思います。どうして広すぎる土地は売りにくいと言われるのか、広い土地を売却するための方法を解説します。

売りにくい理由

 土地が広すぎるために売れない理由は
 ●購入希望者が限られる
 ●価格が高くなる
 ためです。

 購入希望者が限られるから

 土地を購入する方の多くは自宅を建てるためですが、土地が広すぎることでのデメリットもあります。地域性によりますが、自宅として最適な広さは30坪〜60坪程度だといわれています。土地が広すぎると雑草などの手入れがたいへんになりますし、固定資産税が高くなります。住宅の敷地には「小規模宅地の特例」があり、200㎡以下であれば、固定資産税の課税標準額が6分の1に軽減され都市計画税は3分の1に軽減されるメリットがあります。このため60坪を超える部分は小規模宅地の特例が受けられず6倍の固定資産税を納めることになってしまいます。

 価格が高くなる

 土地が広くなれば単価が同じでも売買価格は高くなります。売買価格が高額になれば購入できる方は限られてきますから、個人が住宅を建てる目的での購入は難しく、高額なために購入者が限られます。そのため近隣の市場価格では30坪を坪5万円で売却できる土地でも500坪では坪5万円とはなりません。分譲住宅を販売するために不動産会社が購入する場合には、土地の広さや形によりますが購入した土地の中に4m以上の幅員がある道路をつくる必要がでてきます。道路は商品にはなりませんから、不動産会社が購入した金額をそのまま転嫁することができないばかりか工事費もかかりますから道路造成費を差し引いての売買代金の交渉になります。このように、土地が広いために総額を抑えるために坪単価を抑えることが必要になることのほか、宅地分譲をする目的であれば道路など商品にならない土地ができることから総額が安くなり、売主からすれば希望する売却価格に届かない結果になります。 

広い土地を売る方法

 広い土地を有利に売却するには以下の方法を検討しましょう。
 1.分筆をして売却する
 2.不動産会社に直接売却する
 3.マンション業者に直接売却する
 4.信頼できる不動産会社に相談する

 1.分筆して売却する

 土地が広すぎることで売却するのが難しいのであれば売りやすい面積に土地を分筆して売却できないかを検討しましょう。分筆とは一つの土地の区画分けをすることをいいます。分筆をして30坪〜60坪程度の売却しやすい土地ができれば売却もスムーズにすすみます。分筆をして残った土地がいびつになり、使い勝手が悪くなれば困りますから土地の形状を十分考慮する必要があります。また、分筆をするには分筆費用がかかります。さらに、分筆して数区画できる土地であっても繰り返し不特定多数に売却することは宅地建物取引業法に違反することになりますから注意が必要です。

 2.不動産会社に直接売却

 不動産買取をしている不動産会社であれば不動産会社に直接売却することができます。不動産会社に直接売却できれば仲介手数料はかからず、早期に売却が可能です。ただし、直接買取では市場価格よりも安くなることが多いですから一括査定などをしたうえで、納得してから売却しましょう。

 3.マンション業者に売却

 広い土地であればマンション業者に売却するのが最良の方法です。宅地分譲と異なりマンションでは道路をつくる必要がなく、まとまった広い土地は市場にでにくいため高額での売却が期待できます。マンション業者に売却するためには、売却する土地がマンション建設に向いている土地でなければなりません。駅が近いとか商業施設が近いなど利便性がある地域であるほどマンションに向いています。売却しようとする土地の近くにマンションが建っていればマンション業者への売却が期待できます。マンション建設にはその土地の用途地域が関連します。用途地域は13種類に分類されており、工業専用地域にはマンションを建設することができず、田園住居地域や低層住居専用地域では基本的に3階建以上の建物を建てることができませんから、マンションには向いていません。

 4.信頼できる不動産会社に相談する

 土地を有利に売却するには信頼できる不動産会社に相談することがおすすめです。一口に不動産会社といっても、不動産会社にはいろいろな会社があるためです。同じ「不動産」を扱っていても、取り扱う分野は異なります。戸建住宅、マンション、商業施設、投資物件など売却する不動産によって購入希望者も異なりますから、不動産会社もそれぞれ得意とする分野があります。不動産会社が得意とする地域も異なります。土地を売却する前に、一括査定などを依頼して幅広く不動産会社を知り、最も信頼できる不動産会社であれば後悔しない売却をすすめることができます。