不動産を相続して確定申告?
申告期限とその方法

 不動産を相続したけど確定申告が必要なのかな?と心配になりますね。不動産を相続した場合に税務署に申告が必要な場合とその方法を解説します。

 相続して確定申告が必要な場合とは?

 相続をして現金や不動産を得たから確定申告をしなければならないのか?と不安になる方もいらっしゃいますが、相続で財産を得たとしても原則的には申告は不要です。ただし、申告が必要な場合もありますから注意が必要です。

 原則として申告不要!必要な場合とは?

 遺産相続をしたからといって必ずしも申告は必要ではありません。ただし、相続税の申告が必要な場合があります。
 さらに、以下に該当する場合は確定申告も必要になります。
 1. 相続財産を売却した場合
 2. 相続財産から収入が生じる場合
 3. 相続財産を寄附した場合
 4. 未支給の年金や死亡保険金を受け取った場合

 相続税の申告

 相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に申告と納税をする必要があります。ただし、課税遺産の総額が基礎控除額内におさまっている場合には相続税の申告は不要です。

不動産を相続して確定申告が必要な3つの場合

 確定申告が必要になる場合とは、「所得税の対象=収入を得ること」が発生する場合です。申告が必要な申告の中には、どうして申告が必要なのかわかりにくいものもありますが、申告をしたら得になる場合もありますから、忘れずに申告をしましょう。
 ここでは不動産を相続して確定申告が必要になる場合について解説します。

 1. 相続した不動産を売却した場合
 2. 相続した不動産から収入が生じる場合
 3. 相続した不動産を寄附した場合

 1.相続した不動産を売却した場合

 相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得が発生します。売却利益がある場合は譲渡所得税の申告が必要です。譲渡所得の計算には亡くなった方の取得費や所有年月など引き継ぐことができるものがありますから、忘れないように注意しましょう。相続した不動産を遺産分割のために売却してその売買代金を分割した場合(換価分割)には、遺産分割のためであっても不動産を売却していますからやはり、確定申告が必要です。

 2.相続した不動産から収入が生じる場合

 亡くなった方が、駐車場や賃貸マンションを所有し確定申告をしていた場合には、亡くなった方に変わって確定申告をしなければなりません。
 準確定申告といいますが、この確定申告は相続開始があったことを知った日から4ヶ月以内に申告と納税が必要ですから注意しましょう。
 また、相続開始後に相続した駐車場や賃貸マンションから生じる利益は相続人の所得として確定申告をする必要があります。

 3.相続した不動産を寄附した場合

 特定の対象へ寄付をした場合には、寄付した団体から寄付を受けた証明書をもらって申告をすれば寄付金控除を受けることができます。寄付金控除の対象になる主な寄付の相手先は以下の通りです。
 地方公共団体、日本赤十字社、公益財団・社団法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、認定NPO、政党や政治資金団体など一定の要件をみたしたもの。

確定申告の方法は3つ

 確定申告は毎年2月16日から3月15日までの間に住所地の税務署に対して行います。なお、亡くなった方の確定申告をする準確定申告の場合は亡くなった方の住所地の税務署になりますから確認をしてください。

 準確定申告確定申告
申告所得の時期1月1日~死亡日1月1日~12月31日
申告時期相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内翌年の2月16日~3月15日
申告する税務署被相続人の住所地の税務署本人の住所地の税務署

 申告をする方法は3つあります。
 1. 税務署の相談窓口で行う
 2. 国税庁のホームページで申告する
 3. 税理士に依頼する

 税務署の相談窓口で行う

 確定申告は税務署の窓口に行き、税務署の職員に相談をしながら申告書を作成することもできます。ただし、申告時期はとても混雑していますから、申告期限前でも事前に相談に行くなど、早めに準備をはじめるとよいです。また税務署以外でも申告相談窓口を設けている場合もあります。管轄の税務署に問い合わせると教えてくれるので利用してください。

 国税庁のHPにて申告する

 国税庁の「e-Tax」を利用すればインターネット上で申告から納税まで完結させることができます。
 e-Tax
 また確定申告書作成コーナーがありますから、こちらで作成した確定証明書を印刷して税務署に郵送する方法で申告することも可能です。

 税理士に依頼する

 確定申告時期は、税務署はとても混雑していますから順番を待つだけでも大変です。申告書の内容があっているのか不安や面倒を感じる場合には税理士を利用しましょう。特に相続した不動産の確定申告ですから、事業承継の手続きも必要です。税理士は税金のプロですから、税理士に任せれば何より安心ですし手間も時間もかかりません。手数料はかかりますが、安心できて手間も時間も節約できればコストは充分回収できます。