空き家が売れない4つの理由と6つの対策

空き家が売れない4つの理由

空き家がある場所の問題

  空き家がどこにあるか、建っている場所に売れない理由がある場合があります。

  1. 地方や田舎にある

  地方や田舎に家がある場合は、都市部と異なり高齢化や過疎の問題があり、住んでいる人が高齢化しているためそもそも住宅需要が高くない場合があります。そのため買い手をみつけるのが難しいのです。

  1. 主要駅から遠くて不便

  以前は都市部の企業に勤めていても、自宅は郊外のベッドタウンに構えることが多かったのですが、最近は勤務地と自宅が近い職住接近が好まれています。

  また以前の日本住宅公団は各地に分譲マンションを建築し販売しましたが、民業圧迫との批判を避けるため競合する物件のない場所に建築し、駅から遠い場所にベッドタウンを形成した経緯があります。また古い間取りのために現在の需要と合わず買い手がつきにくいともいえます。

  1. 災害リスクがある地域

  土砂災害や水害のリスクがあれば買い手がなかなか見つかりません。近年大規模な自然災害が多数発生していることから行政は災害地域の線引きを見直し新たに線引きをしました。そのために指定された場所がありますし、過去に自然災害が発生していれば売りにくい物件となります。買い手になる人も災害リスクに敏感になっているといえます。

  1. 再建築できないため

  建築基準法が改正されたために家の建て替えができない場合があります。例えば接道条件に抵触する場合です。セットバックといって道路部分を空き地にすれば再建築できることもありますが、セットバックする分、利用できる土地が小さくなるデメリットがあります。

 

買主が買いたくても住宅ローンが利用できない

  買主になる人の多くは住宅ローンを利用するため、住宅ローンが利用できなければ購入できません。

  1. 耐震基準を満たしていない

  1981年に建築基準法が改正されて耐震基準の見直しがされました。それ以前の建物は耐震基準に満たない可能性があり、融資を受けにくくなります。

  1. 築年数が経過しすぎている

  あまり古い建物だと金融機関が希望する担保評価が出ないため融資を受けられないことがあります。金融機関は融資に際して担保評価を重視しています。

 

国土交通省『令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書』

  https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001394336.pdf

 

空き家の建物に問題がある

  家は空き家にして誰も住んでいないと、どうしても傷んで荒れてきます。

  1. 荷物がそのままになっている

  相続した空き家で遺品がそのままにしてあるとか、引っ越し荷物が多くなるのでいらない荷物をそのまま置いてある状態ではないでしょうか。売却希望の空き家はなるべく荷物の少ない状態にしておくことがおすすめです。

  1. 朽廃して荒れている

  定期的に空き家に通い風を通したり、掃除をしたりとメンテナンスをこまめにしているでしょうか。瓦が落ちていたり外壁が崩れていたり、雨漏りがあったりすれば買い手は敬遠してしまいます。

  1. リフォーム費用が多くかかる

  古い建物だと現在とは生活様式などの違いから間取りが若年者の需要に合わなかったり、建具の不具合があったりするのでリフォームが必要なことが予想されます。古い建物だと建物の耐震性に不安があることもあります。買主は売買代金に加えてリフォーム費用を計算しますので、売り出す価格もリフォーム費用を考慮した金額でなければなかなか買い手が見つかりません。

 

土地が広すぎる

  土地が広ければゆったりとしているだけではなく、デメリットがあるので買い手が見つからない可能性があります。

1 土地が広ければ広い分だけ固定資産税が高くなります。

   あまり広いと敷地の一部であっても建物がある土地に適用される固定資産税の減額措置から外れてしまうこともあります。

2 除草や雪かきなどの管理の手間が増えてしまうために敬遠されてしまうこともあります。

3 土地が広い分、土地の売買代金が高くなり、購入できる人が少なくなってしまう場合もあります。

売却するための6つの対策

売却方法を変えてみる

  1. 売り方を変える

 (ア)売値を下げる

    「住宅ローンがまだ残っているので高く売りたい」「生活費の足しにしたい」「思い入れのある家だからこのような値段になるはずがない」と売主様には様々な思い入れがありますが、相場からかけ離れた価格だとどうしても買い手が見つかりません。

 (イ)別荘として売るまたは賃貸を検討する

     地方や田舎にあることを利点として、別荘として売りに出したり、賃貸物件として出したりすることも一つの方法です。

  1. 古い空き家の売買に慣れた会社に変える

 (ア)別荘として売却する時はそのような市場を専門に扱っている不動産会社に依頼することを考えましょう。

 (イ)古い空き家の場合には売買価格が高くないため、不動産業者の報酬(仲介手数料)も高くなりません。そのため利益が少ないので積極的に取り組まない会社もなかにはあります。不動産の売却を依頼するにあたって積極的に売却活動を行なってくれる会社なのかよく見極めましょう。

更地にする

  空き家が古すぎて売れないのなら、空き家を取り壊して更地にすることもひとつの方法です。買主が購入後にリフォームしたり解体したりする費用や手間がかからないので、買い手が見つかりやすくなります。

  更地にすれば家を建築するだけでなく、駐車場にしたりトランクルームを設置したりできるので購入後の用途が広がります。しかし更地にすると固定資産税が上がるデメリットがあります。その地域で、中古住宅の需要が高いのか、土地の需要が高いのか、不動産会社によく説明を聞いてから、判断するようにしましょう。

耐震基準の適合証明をとる

  新しい耐震基準を満たしていない可能性があるため住宅ローンが利用できないので買い手が見つからない場合、耐震基準適合証明を取得するのもひとつの方法です。耐震基準適合証明があることで、住宅ローンが利用できるほか、買主は取得時の不動産取得税や登録免許税などで優遇措置をうけることができるため買主のメリットは多くなります。しかし、費用をだして証明申請をしても証明書がとれないこともありますので、注意してください。

リフォームをする

  まずは空き家周辺のゴミを片付け、雑草を抜いてみましょう。それだけでガラッとお家の印象は変わります。

  空き家の掃除、傷んでいる場所の修繕、壁紙の張替、水回りの清掃や交換など自分でできることはないでしょうか。

  どうしても自分でできない場所の清掃やリフォームは専門業者に依頼しましょう。見た目がよくなり、機能が改善されれば買主候補が興味をもつ可能性が高まります。

  地方自治体が空き家のリフォーム資金を補助する制度がありますので検討してください。

しかし、リフォーム費用がそのまま売買代金に上乗せされて売却できるとはかぎりません。リフォームする前に不動産会社に相談することをおすすめします。

空き家バンクを利用する

  地方であれば空き家バンクを利用するのも一つの方法です。インターネット上に掲載されるので地方物件に興味をもつ人の目に止まります。不動産会社に売却依頼をすると基本的に3ヶ月ごとに仲介契約を更新する必要がありますが(専任媒介契約の場合)、空き家バンクに更新はありません。

不動産会社に買取を依頼する

  土地が広すぎて売れない場合、売主が土地を分筆したりすると多額の費用がかかります。

また建物をリフォームしたり解体したりするのも費用がかかります。

  不動産会社に直接買い取ってもらえばこのような費用を負担しないで、そのまま買い取ってもらうことが可能です。不動産会社はリフォーム費用や解体費用などの費用を考慮したうえで買取額を決定するため、市場価格より安くなる場合もありますが、買取が決まればすぐに現金化できるというメリットがあります。

 

 

  以上のように、売却の方法は様々あります。その物件の立地、状態、需要と供給のバランス、売主様の状況等に合わせて、より早期に売却できる方法を不動産会社と見つけていきましょう。