旗竿地は売りづらい?上手な売却方法とは

旗竿地のデメリット

  旗竿地には次のようなデメリットがあるため、一般的に評価がさがります。

1.建築制限があるため

  (ア)建物を建てるには幅員4m以上の公道に接している部分が2m以上なければなりません。以前は2m以下でも建てることができたため、今ある建物

     を壊してしまうと建物が建てられない『再建築不可物件』となるおそれがあります。

  (イ)3階建以上の建物には「道または幅員4メートル以上の通路」に面する外壁面に非常用進入口を設けなければなりませんが、旗竿地ではできない

     ため3階建以上の建物は建てられません。

2.周囲を建物に囲まれていれば日照や風通しが悪い可能性があります。

3.防犯・防災の面で心配があります。

  (ア)道路から建物が離れているため消防車が近くまで来られないために消火活動に遅延や支障があるおそれがあります。

  (イ)道路の通行人から見えないので空き巣や不法侵入に気づくのが遅れるおそれがあります。

4.路地部分の幅員が2mだと駐車場として使えません。

  軽自動車で約1.5m。普通車で約1.8mの車幅があるので、幅が2mの路地だとドアを開けて乗り降りするのが難しく駐車場として使うことができませ

  ん。

5.引っ越しや荷物の運搬が大変

  道路から路地部分を通って荷物を運ぶのに車が入らなければ道路から人手で運ぶことになります。

6.取り壊しや建築コストが割高になる

  これも路地部分が狭いことから道路から建築資材を運ぶのが大変ですし、重機などの建設機械が入らないため取り壊しや建築コストが高くなりがちで

  す。

  また、工場で作ったユニットを組み立てるユニット工法のプレハブはユニットの搬入ができないために建てることができません。

7.有効面積が狭い

  路地部分には建物を建築できないので、利用方法が限定されます。

旗竿地のメリット

  デメリットがある反面、メリットもあります。

 

1.建物が道路から離れていて、周囲には家が建っていることが多いので車の騒音が気にならず、静かに生活できます。

2.また、大きな道路に面していないことから見知らぬ通行人の視線を気にする必要がなく、プライバシーが確保しやすいのも利点です。

3.家をでても路地があるため、小さい子供が道路に飛び出す心配がなく安全です。路地部分でも車が入って来ないので子供が安心して遊べます。

4.路地部分をガーデニングや家庭菜園にして花を飾ったり、エクステリアに凝ったりして玄関までのアプローチを楽しむ工夫ができます。

  疲れて帰ったときの一息入れる機会になりますし、お客様の気分も晴れやかになります。

5.家への侵入が路地部分だけなので接道部分に門扉を設置すればセキュリティーが守れて見栄えも良くなります。

上手な売却方法

  売却しにくいと言われている旗竿地ですが、売却方法を工夫することで有利に売却することも可能です。

 

1.価格の安さを前面に出して売り出す

  (ア)駅に近いとか、買い物に便利な場所だとか、人気エリアでも取得しやすい価格になります。

  (イ)近隣の同じエリアと比べて価格が安ければ購入希望者の目にとまりやすくなります。

2.隣地の所有者に購入を打診する

  一般に売却活動をする前に隣接地の所有者に購入を打診してみましょう。

  隣地を欲しいという方は多く、隣地の人にとって自分の土地が広くなり有効活用できるので、意外とスムーズに話が運ぶ場合があります。

3.セキュリティー対策を施しデメリットをなくし、メリットをアピールしましょう。

  (ア)防犯ガラスや防犯カメラを設置すると買主が安心します。

  (イ)入り口に門扉を設置すれば防犯に有効ですし、見栄えもよくなります。

4.不動会社に売却する

  (ア)不動産会社では資金力があるので、隣地との等価交換や購入して合筆分筆するなど区画を整理して売り出すなど、資金力を使った旗竿地の有効利

     用が可能です。

  (イ)不動産会社には旗竿地を有効利用するノウハウがあるので旗竿地だからとの理由で敬遠することがありません。

     例えば都心部だと車がいらないのでアパートとして利用できるためアパートのオーナーに売却することが可能です。

     建築して売却する業者だと垣根やフェンスで目隠しをして天井から採光する家を建てるなど、日照や風通し、周囲の目線といった旗竿地のデメリ

     ットを考慮した家を建てることができます。

 

旗竿地だからと言って、決して売れない訳ではありません。旗竿地のメリットをアピールし、積極的に販売活動してくれる不動産会社におまかせすることをおすすめします。