できるだけ高く、できるだけ早く売りたい! と売主なら誰でも思うことですが、必勝法のようなものはありません。高く売れる条件を満たしていることと、必要と考えることをやりつづけることです。
不動産会社がおこなう販売活動が適正か、売却予定の不動産が高く売れる条件を満たしているのか、売主が知っておきたい高く売れる5つのポイントを解説します。
高く売れるために必要な5つのポイント
適正におこなわれた査定価格は3ヶ月間で売れる可能性のある金額といえます。一般的に査定価格は多少の幅をもたせて提出されることもあり、たとえば「2,100万円~1,900万円」などのように2,000万円前後100万円の幅があるような査定です。
高く売るためには上値の2,100万円を売渡し金額として設定し、売出し価格を2,100万円とするか2,100万円+αとするわけですが、高値で売れる必要条件として次の5つのポイントが考えられます。
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- 売出し価格の妥当性
売出し価格は不動産査定の結果にもとづいて決定するのが普通です。査定内容によって高過ぎる価格設定になってしまう場合があります。不動産購入を検討している人からみて “明らかに高い” と感じる価格設定は「値下がり」を予感させ、 “下がるまで待とう! ” という反応が生まれるものです。
“すこし高めだが! ” と感じる設定のほうが、興味をもってもらえる可能性が高くなるといえるでしょう。
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- 資産価値を高める希少性
希少価値のある物件のほうが高く売れる可能性が高いことは当然ですが、誰もがその価値を認めることは少なく、一部の人が希少な特徴に対し資産価値を認めるものです。そのため高く評価する人が現れるまでに時間がかかると考えられます。
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- 競合物件に優る立地条件
同様な物件が周辺にある場合、立地条件のより良いほうが高くなります。立地条件の良し悪しにはいくつかポイントがあり、重視する条件が人によって同一ではありません。交通便を重視する人、特定の大学への通勤性を重視する場合、勤務先から徒歩圏内を求める人など、必ずしも同一の条件が優れているわけではないことに注意したいです。
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- 適切なメンテナンス
築年数が経過していても、適切にメンテナンスされている物件は評価が高くなります。外壁や屋根など外部を定期的にメンテナンスしていた物件は、築30年を超えていても経済的残存耐用年数は長くなり、買主も内覧時の評価が高くなる傾向があります。
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- 買主に与える安心感
上記のメンテンナンスに関連しますが、買主は建物の不具合や劣化の状態を、購入前に正確に把握することはむずかしいものです。漠然とした不安が購入へのためらいにもなってきます。
安心感を与えるためにも『ホームインスペクション(住宅診断)の目的と効果』で説明した「ホームインスペクション」を活用することも考えてください。
高く売るために実践したい5つの具体策
高く売れる5つのポイントが条件としてそろった場合、次に考えなければならないことが具体的な対策です。
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- 短期間で売れると考えない
- 売り渡し価格を妥協しない
- オープンハウスを粘り強く行う
- リフォームよりハウスクリーニングを
- 不動産会社の担当者を見極める
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以上の具体的対策についてもうすこし深く掘り下げてみましょう。
短期間で売れると考えない
不動産の売却期間は平均8ヶ月というデータがあります。
参考:不動産ジャパン「売りに出してから売れるまでの期間は平均8ヶ月、売却価格は平均2,536万円」
(https://www.fudousan.or.jp/topics/1507/07_5.html)
媒介契約期間の3ヶ月で売れるにはいくつかの理由が考えられます。
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媒介契約期間は3ヶ月としますが、多くは再契約や仲介会社の変更などをおこない、戸建住宅においては1年近くかかっていることが参考サイトのデータから読み取れます。
不動産を購入する人の多くは「できるだけ安く買う」ことを優先しており、売主の希望金額で売れるには「どうしてもこの物件がほしい」と考える人の出現を待つしかありません。
このことから言えることは『多くの人に物件の存在を知ってもらい、たくさんの内覧件数を増やす』ことが大切で、そのためにはある程度の時間がかかることを予定しておく必要があるのです。
売り渡し価格を妥協しない
専任媒介で両手手数料の場合、仲介会社はなんとか商談をまとめることを優先します。つまり売主と買主の希望価格に大きな開きがあるとき、仲介会社は “間をとる” といった考え方をするものです。
買主側にも不動産会社が仲介でいる場合は、不動産会社同士の交渉になります。 “間をとる” という考え方は最終段階であって、売主の希望にできるだけ近づけようと頑張るケースが多くなります。頑張り過ぎて破談になることもあり得ますが、高く売れるためには売主の妥協をしない姿勢が大切です。
媒介契約時には売出し価格を決めますが、このときに値下げ交渉があった場合の最低ラインをはっきり決めておくことが大切。売主が売りたい希望金額と不動産会社が「売れるだろうと考えられる最高金額」のすり合わせをしておくことを勧めます。
すり合わせができていると、両手手数料の場合でも安易な値引き提案をしづらいため、ギリギリの合意ラインを探ってくれるようになるものです。
オープンハウスを粘り強く行う
オープンハウスをくり返し粘り強くおこなうことで、高く売れる可能性が大きくなります。
オープンハウスは売却活動のなかでも有効なものであることを『オープンハウスの演出方法~ホームステージングとは?』で解説しました。
オープンハウスは事前の準備や告知方法により、時間や費用がかかる場合もありますが、空き家の場合には常時オープンハウスのセッティングをしておくことが可能です。告知をウェブサイトのみでおこなうと費用はほとんどかかりません。
高く売るには露出する頻度と内覧件数を、とにかく増やすことが鉄則です。告知方法が弱いと集客数は落ちるので、不動産会社にとっては会場での待機時間を無駄に感じることが少なくありません。しかしリモートワークが可能なモバイル通信機器も一般的であり、オープンハウス会場を臨時のオフィススペースに使用することもできます。
リフォームよりハウスクリーニングを
築年数が経過した物件はリフォームしてキレイにしたほうが、高く売れると考えると人も多いようです。
一見納得できる考え方ですが、落とし穴もあります。冒頭に記述した参考サイトの『不動産ジャパン「売りに出してから売れるまでの期間は平均8ヶ月、売却価格は平均2,536万円」(https://www.fudousan.or.jp/topics/1507/07_5.html)』には、中古住宅購入者におこなった『購入時にリフォームしてあった方が良かったか?』とのアンケート結果が掲載されています。
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- リフォームしてあったほうが良かったに「はい」と答えたのは9%
- 「いいえ」と答えたのは8%
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「いいえ」のほうが実は多いのです。
購入してから好きなようにリフォームしたいと考える人が多いこと、そしてリフォームされていると以前の状態が確認できず、不具合や欠陥があってもわからないという問題があります。また、リフォームした費用を上乗せして売れる保証もありません。リフォームした費用が無駄になることもあるのです。
すこしでもキレイに見せたいということであれば、ハウスクリーニングをやっておくことが効果的です。
不動産会社の担当者を見極める
不動産を高く売るには、担当者の能力と人間性によるところが大きくなります。
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このようなケースでは、高く売れることを期待できません。
“高い能力がありなおかつできるだけ高く売ろうと努力する人” が望まれるのですが、そのような担当者をどう見抜くかが重要です。
売主から見た担当者の見分け方はたったひとつ・・・この営業マンから住宅を買いたいと思うか? です。
買主の立場になって考えてみるとわかります。
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- 嘘をつかない
- 真摯に客の立場になってくれる
- どんな相談にも応じてくれる
- 説明がやさしく理解しやすい
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などなどいろいろあると思いますが、一生に1回せいぜいあっても2回ほどしかない大きな買い物です。大事な買い物の選択にあたって相談するのは、やはり営業マンなのです。買主が信頼する営業マン、それが高く売ることのできる担当者だといえるのです。
まとめ
高く売れるための5つのポイントと具体策について解説しました。不動産売買は売主と買主のマッチングです。そのチャンスをつくるのが不動産会社の仲介活動といえます。
高く売れるテクニックなどはありません。地道に粘り強くおこなう販売活動がやがて花を開かせるものです。売主と不動産会社とのあいだに生まれる信頼関係と、高く売るための目標意識が一致していることが大切なことです。