<いわき市の土地の相場と傾向> いわき市の土地相場は平成23年の東日本大震災並びに福島第一原子力発電所事故から4年続けて上昇し、平成27年がピークになりました。原発が立地する双葉郡から、いわき市へ避難者約2万4,000人と言われた中、原発賠償が実施され不動産購入の動きが活発化しました。ピーク時には価格高騰地の全国上位10位中八つ(上昇率12.3%~15.3%)までをいわき市が占めるという状況でした。価格が2000万円~5000万円台のものから8000万台までと幅広く売買され、震災前から分譲販売に苦戦していた、郷ケ丘四丁目、いわきニュータウン、泉町の区画整理地やタウンズヒルなども次々に買われていき、その後の住宅建築ラッシュへとつながっていったのです。こうした中、宅地不足が叫ばれ出し、いわき市は、市内19地区(60ヘクタール)で約1500戸分の市街化調整区域の地区計画を策定し、民間事業による、宅地造成を認めることとなりました。しかしながら造成工事に着手するまで時間を要しますので、その間も、地価高騰は市街地から郊外地へと波及し、双葉郡から比較的近く、気候風土も似たような、四倉地区は平成28年全国上昇率3位となりました。四倉はいわきの中心部からは10kmほど離れており、海岸線に近い国道6号線に沿った一部は津波が襲い大きな被害が出ました。中心部の地価が高止まりしている一方、地区計画の造成が次第にすすみ分譲を始めるところも出てきましたが平均価格が坪当たり25万円前後で、かつ、大手ハウスメーカーの建築条件付きという分譲地で、若い世代にはとてもハードルの高いものとなっています。その後も分譲を始める地区が出てきましたが、いずれも建築条件付であって消費者の選択幅は広がりを見せてはおりません。新しい分譲地は高くて手が出ないし、そうかといって、買える価格帯の土地は、利便性が悪かったり、道路幅が狭かったり、日当たりに難があったりと、「帯に短くたすきに長い状態」で、やはり「宅地不足」に変わりが無いのです。勿来や錦といった市内南部地区はまだまだ手ごろな宅地があるようです。平近辺の旧分譲地や、好間、平窪、神谷、内郷の平地などは、あいかわらず人気度が高く価格もそれなりになっています。 平成29年になりましてからは双葉郡内避難者の不動産にかかわる動きは、ほとんど見られないようになり、徐々に震災前の状態に近づきつつあります。もし、これからマイホームを計画されるのでしたら、いわき市の不動産動向を良く見ながら、希望の地区の幅を少し広げて、当然ですが住宅ローン金利などもしっかりと見極め、専門家の意見なども十分取り入れて「決断」することが大切なポイントになってきます。 土地の購入時期はいつが良いか?は誰もが考えることですが、「出会ったとき、買えるとき」が一番の好機ではないでしょうか? ]]>